kukkanen’s diary

障害年金で暮らす片づけられない女の日記

ADHDの人がEvernoteを使うべき3つの理由

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はじめに

ADHD当事者としては平常運転中な状態ですが、今日も下図のように思考があちこちに飛びました。

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以下の記事を書こうと思い立った時は、リンク先にある「Facebookに書き続けることは損失なのではと思い始めた」 - 西尾泰和のはてなダイアリーの問いかけに対する答えみたいなものが頭の中に浮かんだのですが、もうすっかり忘れてしまっています。

www.kukkanen.tokyo

今朝、たまたまEvernoteに新しい料金プランができたことを知り、モヤモヤとしていた情報の取り扱い方に関する考えがまとまったので、これについて書きます。

weekly.ascii.jp

(1)時代はフロー型からストック型に戻れない

id:nishiohirokazuさんは、Facebookにおける検索性の悪さを嘆いておられ、ブログならまだGoogleで目的の情報にたどり着けることを指摘していました。

しかし、そもそもブログもフローメディアなので、検索だけで内容を理解しようとするのは大変ですよね、というご意見もあります。

思考型のブログって最新記事を読んでも書かれている言葉は分かるけど書かれている意味が分からないなーなんてざらです。これはその管理人さんの思考を積み上げていれば居るほど読み解くのが難しいハイコンテクストになっているから。

だからその複雑に絡み合った文脈を読むほぐす為に、過去ログを漁って「書かれている意味」の精度を上げていこうという過程が必要になってきます。

でも……正直言って(例えば)1000以上ある記事をあさるのは骨が折れます。読む時間は置いておいて、、、"自分が欲しい"情報を記された記事を探すのが面倒くさい。

eroge-pc.hatenablog.jp

むかーしむかーし、Wikiというものがあってじゃな・・・

上記の記事では、ブログの一覧性を改善する手段としていくつかの方法を紹介しており、手間と時間はかかってしまうもののWikiの可能性に期待したいと結論づけています。

wikiは「ストック型」の媒体です。ブログのように情報を流していくのではなく、情報を"書き換えて"いくのが主眼であり、半永久にアップデートし続ける媒体ですからね。

なので1つのテーマで書かれている記事を全部ひとまとめにして、それをwikiで1ページに書いていく。これならば分断されてる情報を本当の意味で一纏めにできるので「情報の一覧性」として上々じゃないでしょうか。

たしかに温故知新という意味では、Wikiを再評価することもやぶさかではありません。

「Wiki(ウィキ)というのは、「Weblog(ブログ)」と同様に、ブラウザ上で編集することができるWebメディアの一形態です。

日本でも、およそ10年ほど前にPukiwikiというオープンソースのWikiエンジンが人気を博し、社内Wikiなどに採用されていました。

が、しかし、Wikiの代表格であるWikipediaの資金難がたびたび報じられていることや、LINE株式会社がLivedoor Wiki(現在のSeesaa Wiki)を手放したことからわかるように、すっかり過去のツールになってしまった印象は否めません。

「フロー型 VS ストック型」といった検索性の優劣で決まる媒体価値より、スマホの小さな画面に何を流すべきなのかといった観点で考えると、もう従来型のストックメディアに回帰することはないでしょう。

www.kukkanen.tokyo 

(2)Evernoteはフォルダの概念を捨てて、タグを使う

情報を発信するツールとして、ポストブログ的な何かの登場を待ちたいと思います。

さて、話題をWebから自分のマシンなど閉じた環境での情報管理に移します。

時折、「Evernoteを何に使えばいいのかわからない」という方と出会います。そういった方の多くは「無料クラウドなら、Dropboxがあるよね。Evernoteを使うメリットは?」と質問します。

その答えが実は、Webにおけるフロー・ストック概念と通じるのではないでしょうか。

双方のサービスの無料版の特徴を下表に挙げてみました。

▼無料版での機能比較
 EvernoteDropbox
保存できる容量 制限なし 2GBまで
月間アップロード容量 60MBまで  
ファイル ノートに添付して保存 そのまま保存
管理形式 ノートブック フォルダ
情報の探し方 ノートに入力された文字列を検索*1 ファイル名やフォルダ名で検索
タグ 自動でも手動でも付加OK インストールしているOSの機能を使う
向いている用途 頻繁に編集する必要がない情報のストック 他者とのファイル共有

Dropboxのストック先は前世紀型のディレクトリ

Dropboxを使う最大のメリットは、「ディレクトリ(フォルダ)」という、かれこれ四半世紀以上に渡り、コンピュータの世界で用いられてきた単位がそのまま採用されていることです。

したがって、ユーザーはDropboxを自分のパソコンにインストールした後は、「マイドキュメント」などの既存フォルダと同じようにそれを扱うことができます。

つまり、新しい操作方法や概念の理解が必要ありません。

フォルダとタグの違い

それとは逆にフォルダという単位を使わないのが、Evernoteの特徴でもあります。

頭の中が、Windows95くらいで止まったままの方は「ノートブックがフォルダの変わりなのね」と早合点して、これを細かくカテゴライズしようとします。

「でも、ちょっと待ってください!Evernoteではタグを使います」

ここで、フォルダとタグの違いをおさらいしておきましょう。

 フォルダタグ
用途 データを保管する入れ物 データに属性をつける
1つのアイテム は1箇所にしか入れられない に複数付加できる
メールでの例 昔のメーラー Gmail

フォルダ管理の問題点

扱うデータが少ないうちは、用途別にフォルダを作り、そこに分類します。ファイルの種類が増える度に、新しいフォルダを作成したり、フォルダの中にフォルダを入れたりしていくわけですが、じきに限界が見えてきます。

例えば、下の例のようにディレクトリ構成でA社に関するものを見たい時は、「見積書」と「請求書」の両方のフォルダを開かなければいけません。

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ここまで書けば、もうおわかりかと思いますが、私たちADHD当事者のデスクトップになぜ大量のファイルが置きっぱなしになっているのか?・・・つまり、フォルダという立派な引き出しがあっても、整理整頓が苦手な人が使いこなすのは難しいということです。

タグを使うメリット

フォルダはあくまでもファイルを入れる「場所」であるのに対して、タグはファイルの「属性」を決めるものなので、階層構造と関係なく、表示することができます。

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ちなみに、Dropboxにはタグ付けというメニューはなく、インストールされたそれぞれのOSのタグ機能を使います。

Evernoteのタグの使い方は、下図からリンクする記事も参考にしてください。タグはデータ移動を伴わず、簡単につけたり、剥がしたりできるので「要確認」のようなタグでタスク管理もできます。

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精神障害者がEvernoteで日記をつける時の工夫 - kukkanen’s diary

(3)コストパフォーマンスで考えるツール選び

個人向けのクラウド系サービスは無料プランから始めることができますが、継続利用するためのコストを見積もっておくことも重要です。

 保存容量月間アップロード容量年会費
Dropboベーシック 〜2GB  - 無料
Dropboxプロ 〜1TB  - 12,000円
Evernoteベーシック 無制限 〜60MB 無料
Evernoteプラス 無制限 〜1GB 2,000円
Evernoteプレミアム 無制限 無制限 4,000円

Dropbox料金プラン: https://www.dropbox.com/plans

Evernote料金プラン: https://evernote.com/intl/jp/pricing/

料金がかかるのは保管なのか?アップロードなのか?

ここでポイントとなるのは、それぞれのサービスが料金プランごとに制限を設けている内容が異なる点です。

Dropboxは、保存できるファイルの容量にリミットがあります。つまり、保存するファイルをどんどん増やしていくと、あっという間に2GBの無料枠を超過して、有料プランにアップグレードするか、他の無料ストレージにファイルを分散させることになります。

Evernoteは、保存できる容量に制限がないので、1ヶ月間にアップロードできる容量を超過しなければ、それが蓄積されても永遠に無料のまま使い続けることができます。

データ移行のイニシャルコストは240円から

ちなみに、Evernoteに新しくできた「プラス」プランは240円の月額払いを選ぶこともできます。

例えば、Dropboxで保管しているファイルの容量が無料枠を超えそうな時は、2ヶ月だけ「プラス」プランを契約して、この期間にEvernoteにファイルを移せばいいのです。

その他、古いアルバムの写真をスキャンして保存する際など、Evernoteは大量アップロードの必要がある時だけ、有料プランに切り替えればいいので、ランニングコスト面でお得です。

まとめ: Evernoteは流れてきた情報をストックするサービス

ブログというメディアは、フローメなのか?それともストックなのか?

この話から始まりましたが、Evernoteは「フロー時代のストック先」です。

情報化社会が加速し、大量のナレッジがインターネットを通じて得られる中、ディレクトリ概念で整理しようとする習慣は、それだけで時間的コストを消費します。

かといって、非力なADHD脳で情報を取捨選択しようとする行為は、機会損失を招く可能性を高めます。

こんなふうに考えると、自ずと答えが導かれます。

  1. 流れてくる情報は選ばず保存する
  2. 情報は必要に応じて検索で探し出す
  3. 気づいた時点でタグをつけ、更なる検索性向上に役立てる

上記の3つのルールに最適なのがEvernoteです。

Evernoteは自分が選んだ情報を保存することもできますが、IFTTTやはてブなど様々なサービスと連携し、そこで取得された情報を元にノートを自動作成する機能があります。

とはいえ、説明を聞いただけだとなかなかピンとこないので、まずはブラウザにEvernoteのWebクリッパー機能を追加して、どんどんいろなページを保存してみてください。以下の記事も参考までに。

www.kukkanen.tokyo

*1:有料版ではファイル内のテキストを検索対象にできます