自称だけでないADHD当事者をよく見かけるようになった理由 - ストラテラの売上高が前年比43.3%増の139億円!
イーライリリー社がADHD治療薬市場で大躍進
ADHDの治療薬として知られるストラテラを製造・販売している会社に関する記事が目に飛びこんできました。
日本イーライリリー株式会社は4月8日、都内で業績発表記者会見を行い、2014年度売上高は、対前年比7%増の2105億円、初の2000億円突破となったと発表した。
製品別では抗精神病薬・双極性障害治療薬「ジプレキサ」が599億円(対前年比4.1%増)、骨粗しょう症治療剤「フォルテオ」が480億円(対前年比23.3%増)、抗がん剤「アリムタ」が370億円(対前年比5.4%増)など。
また、注意欠陥/多動性障害治療剤「ストラテラ」は対前年比43.3%増の139億円と大きく伸長した。(いずれも薬価ベース)
Googleトレンドで見る"ADHD"の検索ボリューム
ADHDというキーワードがどの程度、検索されているのかを《Google トレンド》で調べてみました。
地域 | 日本 |
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期間 | 2004年〜現在 |
比較するキーワード | ADHD、アスペ、双極性 |
ざっくりと眺めた様子では、「アスペ」や「双極性」というキーワードより、「ADHD」の方がたくさん検索されており、さらなる上昇を予測できる折れ線グラフが表示されました。
ニュース記事と検索回数の相関
Googleトレンドには、[ニュースのヘッドライン]というオプションがあり、ここにチェックを入れると、キーワードに関連するニュース記事のリンクが表示されます。
例えば、女優キャサリン・ゼタ=ジョーンズさんの記事が公開されたタイミングで「双極性」の検索回数が増えていることがわかります。
2009年5月に何が起こったか?
"ADHD"の検索回数が急上昇しているプロットがありますが、前述した[ニュースのヘッドライン]オプションで日本語のニュースを確認できなかったので、通常の《Google 検索》で調べてみることにしました。
検索条件は以下の通りです。
言語 | 日本語 |
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期間 | 2009年5月1日〜31日 |
キーワード | ADHD |
種類 | ニュース |
するとまあ、ドンピシャリ!
イーライリリー社がADHDの治療薬であるストラテラを日本で発売開始すると報じた記事にたどりつくのでした。
精神科の診断名の流行り廃り
ADHDは「アスペ」などと同様に、確定診断されていない人でも自分の性格を自虐的に語る際によく使われるので、検索ボリュームが多いと推察できます。
ただ、ここ数年で自称だけではないADHD当事者の声をTwitterなどでよく見かけるのは、ストラテラやコンサータの販売が日本で承認されたことによるものと考えて間違いなさそうです。
リーマスなどの気分安定薬が販売されるようになって、うつ病から双極性障害への診断変更が流行ったように、「ADHDの時代」がやってきたのかな・・・。
双極性障害の時代 マニーからバイポーラーへ |