救急用の安心カードを自作するのはいかがでしょうか?
はじめに
この記事は、たまたまTwitter上で見かけた複数のツイートをまとめるために書きます。
TogetterやNAVERでも良かったんだけど、なんとなくこちらに。
まず、きっかけはこちらのツイートから。
この方の漫画すごいです。お時間ある際にぜひ。 @_to_ti 『みちくさ日記/道草晴子』第24話「なぜか物置のような部屋で」 http://t.co/VbKkELqdDt 14歳で精神科病院に入院した著者の涙と笑い、そして再生の記録。 pic.twitter.com/pRtNhrCO1T
— ふらカナ (@fura_kana) 2015, 3月 31
精神科入院経験をユーモラスに描いたマンガ「みちくさ日記」
ふらカナさんが薦めてくださったマンガは精神科入院経験がある作家さんの自伝的ストーリーで《トーチweb みちくさ日記》に無料公開されています。
愛すべき、人生のみちくさ……
13歳の若さでちばてつや賞を受賞し漫画家としてデビューするも、ほどなく精神科病院に入院。その後15年以上に渡り、いわゆる゛世間一般のルート゛とは全く別の道を歩んできた著者の、涙と笑い、そして再生の記録。
著者は道草春子さん、1983年東京生まれ。
発達障害当事者のお母さんの解説
2人のお子さんのお母さんであるふみ吉さん(id:fumikichi2525)が、『みちくさ日記』をこんなふうに解説していました。
えーと、先程RT させて頂いた、ふらカナさんのツイートの漫画。 発達障害を統合失調症と誤診された例ですよね。 長男も、発達障害を知らない医師が診たら統合失調症と診断されるから気を付けるように、と言われました。 長男の症状で統合失調症と診断されたら、恐らく病院から出られなくなると。
— ふみ吉 (@fumikichi2525) 2015, 3月 31
例えば大発作で救急搬送された場合、発達障害があることを説明できなければ統合失調症と診断されて、いきなり閉鎖病棟だと。 自分の障害を自分で説明できることと、療育手帳を常に持ち歩く事の大事さは、常々話しています。
— ふみ吉 (@fumikichi2525) 2015, 3月 31
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「こころの安心カード」というものがあるらしい
現在、精神科に通院中の"なぎ"さんが「こころの安心カード」という制度を紹介していました。
主治医と相談して作成するこころの安心カード。作ったらどんなことが書かれるのだろう。 わくわく。http://t.co/ACzNVqScTA
— なぎ (@nagi_schizo) 2015, 2月 25
《こころの安心カード/札幌市》に、このカードに関する説明と印刷用のPDFファイルが公開されています。
こころの安心カードの目的と特長
- 夜間や休日など、緊急にかかりつけ以外の医療機関を受診するときに、カードに記載された情報をもとに、より円滑な処置を受けやすくなります。
- 主治医からのアドバイスを記載しておくことで、診療時間外のこころの不調に対処しやすくなります。
- 主治医と一緒に作成することで、病状について話し合い、治療に積極的に取り組むきっかけとなります。
ご本人、ご家族等における記載面
氏名、住所といった基本的な個人情報に加え、以下の内容を自分で記述できるようになっています。
- 夜間休日における主治医のアドバイス(例:不調時のサイン、対処方法)
- 精神科以外の主なかかりつけ医療機関(名称、診療科、電話番号)
医療機関における記載面
こちらは通院先(精神科)の主治医が記入する欄で以下の項目が並んでいます。
- 医療機関名
- 病名およびICDコード*1
- 処方内容(精神科救急医療における処置上、個別の薬剤名や使用量の情報が特に必要な薬剤について、アレルギー、副作用歴等)
- 不調時の当院における指示等
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全国の自治体や病院が提供している安心カードや緊急カード
「安心カード 精神」などのキーワードで検索してみたところ、前述した札幌以外の自治体でも、類似するカードを公開していました。
茅野市安心カード
対象者は、精神障害者に限定せず、高齢者や身体障害者、知的障害者など、災害発生時や救急搬送時に手助けが必要となる方全般のようです。
あんしん連携カード(北九州総合病院)
こちらは、北九州総合病院に救急搬送される可能性が高い患者さんの病状、治療経過などの診療情報をやりとりする仕組みです。
安心セットの自作!
自分が住んでいる地域に、安心カード制度がない方は《こころの安心カード/札幌市》などを参考にして、自分の症状と対処方法を的確に伝える「安心カード」を自作して、以下のものと一緒に持ち歩くとよいかもしれません。
- 保険証
- お薬手帳
- 障害者手帳
- 療育手帳
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*1:WHOが定義する診断カテゴリーのコード。参考: