kukkanen’s diary

障害年金で暮らす片づけられない女の日記

発達障害と自傷行為

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自傷行為防止啓発の日

本日(3月1日)は、自傷行為防止啓発の日だそうです。軽くググッてみた感じだと、日本で特に何か関連イベントが行われている様子はありません。

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http://en.wikipedia.org/wiki/Self-injury_Awareness_Day

広義の自傷行為

自傷行為というと、すぐに連想されるのがリストカットですが、OD*1や、異常な摂食行動なども自分を傷つけるという意味で、同じ問題として扱われるでしょう。


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拒薬という自傷行為

私には生死に係らない程度のプチOD癖があり、それとは逆に拒薬することもしばしばあります。

先日、こんな文章が目にとまりました。

こんな 医師から見て、最もわからないのが、全然良くなっていないのに、勝手に減量したり止めてしまう人である

患者さんには今の処方がベストなのか分かりにくい話|kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ)

薬を飲まない理由はさまざまです。

自分が抱えている問題を解決するためのアプローチとして、処方内容に疑問が生じた場合、主治医にその旨打ち明けるのがベストなのは言うまでもありませんが、相談しても話が折り合わないのが常です。

そして、こんな現実もあります。

ある精神科医の書いた本を読んでいて、おもしろいなとおもったのは、病気が治りそうになると、治療にこなくなり、他の病院へ転院してしまう患者がいるということだった。理由はもちろん、「このままだと本当に治ってしまうから」である。病気が治るのは、実はけっこうつらいものだ。今まで、病気だということで免除されていたあれこれと、現実的に向きあわなくてはいけなくなるからである。就職はどうする。税金を払え。結婚をしろ。子どもは、家は、生活は。それならば、いっそのこと病気でいいやと、つい考えてしまう人がいても、おかしくはない。病気はくるしい。しかし、治るのもけっこうしんどい。だったら、今のままでいいや。これは、たしかに想像がつく。

「しあわせがつらい」 - 空中キャンプ

私には何の才能もありません。そして、帰る職場もありません。病気を克服したとしても、良くて最低賃金の非正規労働にしか就くことができないのです。そういう職場でうまくやっていく自信がないです。

生活保護と障害年金

生活保護リアル』という本を読むとよくわかりますが、生活保護制度と並行して働くことによって、自立を目指している受給者が多いのはあまり知られていない事実です。

「働けるのに働けない」とみなされがちな「その他の世帯高齢者、母子家庭、障害者などを除いた世帯」の約27%で就労が行われているほか、母子家庭世帯では約40%という高い比率で就労が行われている。

簡単に説明すると、就労で得られた収入では足りない金額を保護費として受け取っているというわけです。

「働くこと=障害年金受給停止」というわけではありませんが、就労の可否は等級の審査を行う上で一つの尺度とされています。


身体障害と違い、症状が固定しない精神の障害年金は数年ごとに更新審査があり、その間に働くかどうかは今後の収入を大きく左右する要因となるので、おのずと慎重にならざるを得ません。

こういった側面から、障害年金という制度は生活保護以上に当事者の自立心を阻んでいるように思うことがあります。

逃避という自己防御

こんなことを考え始めると、いつも堂々巡りとなり、この先もこうして生きていくことに絶望しまうのです。正直言って、死ぬのは怖いです。そして、まだ自分には何がしかの可能性があるのではないかという自惚れもあります。

発達障害には「空気が読めない」という特性があり、自分を取り巻く状況を正確に把握すること、それにふさわしい言動を選択することができないという意味ですが、これは性格的な問題ではなく、脳の情報処理能系が未熟なのかもしれません。


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どう生きるべきかという誰もが抱えている課題を、この非力な脳で処理することができず、自分の限界を意識してしまいます。

このエントリーを読んで「甘えたことを言うな」と怒りを覚える人が多いこともわかっています。24時間テレビなどを観ればわかるように、みんな「頑張っている障害者」が好きです。

医療者もうつ病の人には「あなたは、もう十分頑張りました。ゆっくり休んでください」という言葉をかけます。でも、新型うつや発達障害など人間としての未熟さから困難を抱えている人に世間は厳しいです。

逃げ場のない現実世界に目をそむけてしまう、 それが具体的な問題行動となって現れるのが私にとっての自傷行為です。

  • 決して構ってほしいわけでもない。
  • その行為によってすぐに死ねないこともわかっている。

でも自己を荒廃させることにより、「人としての義務から逃避したい」という発想は蔑みの対象としているDQNそのもので、ますます自己嫌悪に陥るのでした。


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*1:Over Dose:薬物の過剰摂取