kukkanen’s diary

障害年金で暮らす片づけられない女の日記

ミニマリスト志向は大脳皮質を最小化させていないのか?

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はてな村のミニマリストと貧乏性の違いがわからない

特定の誰かを批判するつもりはないので、リンクを貼ったり、引用したりしませんが、はてな村でよく見かける「ミニマリスト」という生き方に疑問を感じることがあります。

ドミニック・ローホーさんが語るように、ミニマリストとは本来「人生を豊かにするためのライフスタイル」の一つの形態なんだと思います。

「限りなく少なく」生きることで得られるのは、揺るがない豊かな人生

このメソッドは、著者が自ら実践している具体的で効果の高いものばかりです。

  • 「時間」は、習慣を見直して無駄遣いを解消し、「アポイント」ならまず自分ととります。
  • 「友達」は厳選し、「約束」は果たせないならしない。それが誠実ということ。
  • 「お金」は予算を組めば大事なときにケチケチしなくてもすみます
  • 「言葉」を吟味する人は、品格も高まります。

ミニマリストを実践する人は"物質主義の価値観で生きてきた人"にとって、憧れの対象となります。

典型的なカリフォルニアガールだった著者は、フランスの貴族の家にホームステイすることになる。その家を取り仕切るマダム・シックから学んだのは、毎日を“特別な日”のように生きること。

でも、はてな村で語られるミニマリスムに豊かさをちっとも感じないのは私だけでしょうか?

持ち物を最小化したり、お金を節約したりするノウハウは巷にあふれていますが、そうすることによって何が得られたのかが見えてこないのです。

自己啓発クラスタを上昇志向の有無で分けたペルソナ

はてな村では自己啓発本のレビューも人気があり、そういった世界のカリスマに傾倒しているブロガーも多いように見受けられます。

自己啓発が好きな人を上昇志向という角度で分けた時に、次にあげるペルソナが浮かんできます。

 上昇志向の強い人上昇志向が無い人
収入 低い 低い
人付き合い 会社での人間関係が苦手 無駄な出費は避けたい
目標 サムライ業の資格をとれば収入が上がるはず もっと収入が下がっても生活できるよう節約する
愛読書 勝間和代本 「断捨離」や「人生がときめく片づけの魔法」

チェーン店のコーヒーを飲むことは暮らしを豊かにすることなのか?

あるミニマリストが「おススメのカフェを紹介」と題して、こんなふうに一杯当たりの価格を比較しながら、「500円以上のコーヒーは飲まない」という節約哲学を披露していました。

店名サイズ価格評価
スターバックス ショート 280円 電源があり長居できる
タリーズ ショート 310円 コスパが悪い
サンマルクカフェ ブラックS 190円 フード込でもコスパ良し

「あー、きっとイオンモールしか無いような田舎にお住まいなのかな?」とプロフィールを見てみたら、政令指定都市在住とのこと。

その街の中心部にあるお気に入りのカフェが全国チェーンで、それをわざわざブログで紹介する姿に親近感こそ覚えても、"豊かさ"は微塵も読み取れません。

春先にも同じことを書きましたが、「スタバのフラペチーノ」で幸せを感じることこそ、心穏やかな人生を送るコツなのかもしれないという自覚は一応あります。

www.kukkanen.tokyo

人付き合いや趣味が少ない人はボケやすい

ここで話題を「心の持ちよう」から、「科学的な脳」に移します。

以前手にとった雑誌にこんなことが書かれていました。

"30代でも知らないと「ヤバイ認知症の新事実」"

人付き合いがなく、趣味がない人も認知症になりやすいという。

なるべく人と関わり、何か夢中でできるもの持つことは大切です。

...(略)...

会話をすると脳の血流が増えるという

光トポグラフィでも健常者とそうでない人に血流の差が

やっぱり、そうだったんだ。

精神障害者として家に引きこもるようになってから、認知機能が日に日に低下していることが自分でもよくわかります。

数年前に光トポグラフィという脳の血流を測定して、その波形から統合失調症・双極性障害・うつ病の診断材料にする検査を受けたことがあります。

以下の画像でも、健常者の脳と精神疾患がある人のそれが大きく異ることがわかります。

▼光トポグラフィー検査の画像

http://www.h.u-tokyo.ac.jp/vcms_lf/kokoro1.jpg

▼光トポグラフィー検査の波形

http://www.h.u-tokyo.ac.jp/vcms_lf/kokoro2.jpg

「光トポグラフィー検査とは」こころの検査入院 | 東京大学医学部附属病院

お金の使い方が与える脳への影響

アメリカでの調査によると、世帯収入により子供の大脳皮質の厚みに差があるというデータが提示されています。

もともと、文化資本が異なる階層はそれぞれの社会に固定されると言われていますが、金銭的な価値で比較してもそれが実証されたことになります。

研究グループは、低所得家庭の子ども23人、高所得家庭の子ども35人、計58人の12歳か13歳の学生を対象として検証した。低所得かどうかの基準は、学食が無料か割引になる認定を受けている場合とした。

「マサチューセッツ州総合評価システム」という学力スコアと、大脳皮質のMRI結果を比べた。大脳皮質は、思考、言語、知覚、運動指令といった機能を果たす場所である。

脳の表面に近い「大脳皮質」のうち側面から後方までに当たる「側頭葉」と「後頭葉」の厚さに違いがあると分かった。大脳皮質の部位の厚さに違いがあると、収入の差が44%に及ぶと分かった。

www.mededge.jp

最近の私は社会復帰する自信を喪失して、 何事においても意欲がなくなっています。仕事をしていないので、お金を使うことにとても罪悪感を覚えます。 仕事や社会生活に戻らなければいけないという気持ちは残っています。

もちろん、お金を使わず心豊かに暮らす方法が存在することは知っています。ただ、私が通りすがりに斜め読みしたミニマリストブログにその答えが無かったというだけなのかもしれません。

皮肉なことにお金を節約する一番のコツは、意欲をなくすことです。

どこにも行かず、誰とも会わないと本当に毎月の出費が大幅に減ります。

そして、刺激が少なくなった脳は、ますます回復を遠ざける負のスパイラルにはまっています。

500円のコーヒーで得られるもの

コーヒーの話に戻りましょう。

私はスタバのようなチェーン店でコーヒーを飲むこともありますが、500円以上の価格設定のカフェに行くことを数少なくなった楽しみの一つにしています。

いわゆるビーンズショップで、コーヒー好きな人が豆を買いに行くようなお店です。

シアトル系のコーヒーショップでは、大量にドリップしたものを1時間に1回しか交換しません。低価格で安定供給できるように焙煎されている豆の種類も異なります。

私がよく訪れるそのお店では、これから開業を目指しているようなプロ意識が高い従業員が、注文を受ける都度、丁寧に一杯づつ落としてくれます。カップも作家による一点物を採用しており、毎回目を楽しませてくれます。

でも値段はせいぜい2倍なのです。

これをコスパが悪いと感じるとしたら、それこそ心が貧しいということなのではないでしょうか。

タリーズのレジでコンブリオ(con brio: イタリア語で「生き生きと」)とコールされても脳の血流量は上がりません。でも、ビーンズショップのスタッフに豆の性質について質問すると新しい気付きが得られます。

そんなことを考えながら、明日こそ外の空気を吸いに行こうと思いました。