kukkanen’s diary

障害年金で暮らす片づけられない女の日記

初めて会った独立系FPは昔ながらの保険のおばちゃん風だった

スポンサードリンク

なにやら保険の話で盛り上がっているようで

はてぶの人気記事を見に行ったら、保険の話が盛り上がっているようなので、私もこっそり参加します。

いざという時の為に保険を見に行ってきた - さっきもUたやんでは、結婚を機に将来設計を代理店に相談したところ、9,120万円の終身保険を勧められたそうです。

ん?もしかして保険料に殺される?予算は2万円なんですが。 いつか亡くなった時の生命保険をかける為に毎月11万円って、4ヶ月後には貯蓄の底を突き抜けるよ?

保険ショップを利用する際に知っておいて欲しいこと - 今日の良かったことは、この業界の紹介料に関するカラクリを説明しています。

保険ショップは提携している保険会社からのマージンで運営されているので、中にはマージンの高い会社の商品ばかりを勧めてくるショップ(担当者)もあります。

そして、こうアドバイスしています。

個人的には、保険ショップで話を聞いたら、昔ながらの保険のおばちゃんの話も聞いてみて欲しいと思います。保険ショップで勧められたものとは、全然違う商品を勧められると思います。それぞれメリット・デメリットがあるので、一通り比較してから、どちらにするか決めればいいのではないかと。

ある日の午後、無料マネーセミナーを受けに行きました

私は3つの課題を抱えており、先日とある会社が主催するマネーセミナーを受講しました。

  1. 医療保険の更新が近いので内容を見直したい
  2. 普通預金にあるお金をどうにかしたい
  3. いずれは不動産を売却したい

セミナールームは満席で「無料とはいえ、わざわざカモネギになりにくる人がこんなに沢山いるんだ?!」と少し驚きました。

でも、キックバック制度があるASP*1やポイントサイトに登録している人なら、すぐに察すると思いますが私自身もセミナーに参加する2時間のバイト代程度の見返りがあるのが申し込んだ理由の一つです。

「学資保険が元本割れしたのがきっかけでFPの勉強をしました」という女性講師

このセミナーは「女性の人生プランを考えましょう」的なタイトルで、一つの金融商品に特化した内容でなく、総合的な資産形成や確実な運用方法を学ぶものでした。

講師はとても華のあるキレイな方でしたが、自己紹介で「自分の子供のために掛けていた学資保険を、家庭の事情から中途解約しなければいけなくなって、元本割れとなることに驚き、それがきっかけでお金のことを猛勉強してFP(ファイナンシャルプランナー)になりました」と語りだし、その時点でちょっと興冷めしました。情弱なママ友相手のつかみとしてはわかりやすいかもしれませんが・・・。

その後も「株を買うなら、地元の有名企業がいいですよ。お買い物に行けば、儲かっているかどうかわかりますものね。株主優待券っていうのもあってとてもお得なんです」と続き、小学生でも知ってそうなネタばかりでかなり退屈しました。

「患者をたらい回しにしない病院の組合があって!なにそれ?もっと聞きたい 」というところでセミナーが終わり

セミナー後半でようやく保険の話が始まりました。まあ、いろんな種類の保険がありますよ的な概略から、「がんになっても、がん保険がおりない場合がある」という最近のニュースを読んでいれば誰でも知っている話が登場し、あと5分で終了時間というところでたたみかけるように「3ヶ月以上入院する患者をたらい回しにしない病院の組合みたいなものがありまして」という私が聞いたことがないネタが投下されて、「詳しいお話は無料個別コンサルティングで説明しますので、アンケートに希望日時を書いてください」で閉講しました。

DPC(包括医療支払制度)のことだったのね

どうせ無料だし、暇だしということでさっそく次の日、個別コンサルティングに臨みました。

セミナーで聞いた「病院の組合みたいなもの」というのは、なんてことはないDPCのことでした。

参考:入院の費用について(DPCについて) : 費用について : 特定医療法人 北九州病院 北九州総合病院

精神科にかかる前に知っておきたかったお金のこと - NAVER まとめでもふれましたが、入院しても高額医療費の限度額適用認定証がもらえるので1ヶ月の自己負担はせいぜい十数万円にしかなりません。

ですが、入院期間が3ヶ月を超えると病院側の経営的な理由から、退院をうながされることがままあります。自宅から遠い施設に転院となった場合、見舞いに通う家族の負担が増え、苦労したという話はよく聞きます。

がんになったら、お医者さんに「先進医療特約がついた保険に入っていますか?」と聞かれるのよ

私は10年前に加入したシンプルな医療保険の契約があるのですが、がん保険や先進医療特約にも興味があったので、そのことも詳しく聞きたいと申し出ました。

FPさんは待ってましたとばかりに某社のがん保険のパンフレットを机の上に置き、

「これなら、上皮内新生物*2でも、とにかく"がん"と名のつくものならなんでも100万円もらえるのよ!ひゃくまんえんよ」

と嬉しそうに説明してくれました。

「わーい、百万円ほしい」とこの話にすぐに飛びつく人もいるのでしょうか?

現役でバリバリ働いている人なら、安心して治療に専念できるよう経済的な不安をなくすという意味で100万円の保障はありがたいでしょう。でも、すでに病人である私は100万円という金額にまったくテンションが上がらず、その様子を察したFPさんはこう続けました。

「がんになったらね、お医者さんがまずこう聞くのよ『加入している保険に先進医療特約はついていますか?』粒子線治療っていうのがあってね、何百万円もかかるから泣く泣く受けるのをあきらめる人もいるのよ」

私自身は光トポグラフィ*3がまだ先進医療だった頃にこの制度について調べたことがあり、こう聞きました。

「でも、先進医療って誰でも受けられるわけじゃないんですよね?主治医が標準医療しか手立てがないと判断すればそれまでですし」

他のお客さんなら、最終的に契約書に判子を押すかどうかはさておき「えー?そんなにかかるんですか」とオーバーアクションで話をあわせるところなのでしょうが、なんてたってこちらはコミュニケーションが不得手な発達障害当事者でなおかつ常にネガティブなうつ病体質。

FPさんは策がついたのか最後にこう言いました。

「お医者さんの80%がこの保険に入っているのよ」

どこかで本当にこんな調査をやっているのかもしれないけれど、確かなソースがない限りこのセールストークはアウトなのではないでしょうか・・・。

元本割れで痛い目にあったというFPさんからなぜか外貨建て保険を勧められる

なんでも無料のネット文化が身体にしみついている私でも、さすがにこれ以上月額数千円の医療保険のことを質問するのは申し訳なくなって、FPさんにとっても成約となれば紹介料が大きいと思われる預貯金と不動産をどうするかという相談に移りました。

私は家族や自分の人生設計上、ここ数年でまとまったお金が必要になるかもしれない事情とおおまかな資産(とはいえ、相続税がかからない程度)の額を伝えると、FPさんは目を輝かせて、1枚のパンフレットを差し出しました。

 「私はね、自分が入っていない保険は絶対勧めないの。これなら、◯百万円も増えるのよっ!」

詳しい説明はなく、パンフレットにある大きく右肩上がりに描かれているグラフを指さし、お金が増えると言い切っていました。

繰り返しますが、私はコミュ障。またしても否定から入ります。「そんなにうまい話があるかなあ?」という言葉は心の中にしまっておきましたが、そのパンフレットにある豪ドル立てという文字を見逃しませんでした。そして、グラフの途中に小さく吹き出しとなって書かれている中途解約時の返戻金に目が行きました。たしかに数百万円単位で増える可能性がある商品なのですが、それ以上にロスするリスクも大きいということです。

やっぱり、ダイレクトに聞いてしまいました。

「これって、為替相場に左右されるし、満期の前に解約すると大きく元本割れしますよね?」

前日のセミナーで「学資保険が元本割れしたのがショックでFPになった」という彼女のエピソードを思い出し、苦笑せざるを得ませんでした。

私は、リバースモゲージ*4みたいな金融商品を提案してくれるのかと期待していたのですが、そんな話も出てこなかったので冷たくなったコーヒーを飲み干し、その日のコンサルティングは終了しました。

FPさんのアドバイスで参考になったこと

いささか、シニカルに初めてのファイナンシャルプランニング体験記をつづりましたが、彼女からもらった情報で参考になったこともあります。

  1. 保険料は月払いより年払い、商品によっては一括前払いにした方がお得
  2. 保険料をクレジットカード払いにすると、カード会社のポイントが貯まるのでお得
  3. 先進医療特約はオプションなので月額100円程度

保険料は既にクレジットカードで支払っていましたが、現在契約中の保険会社に先進医療特約の金額を聞くついでに、年払いに変更し10%ほど節約することができました。

先進医療特約については、先進医療を受ける確率は? 「医療保険」一番賢い付き合い方【1】:PRESIDENT Online - プレジデントが参考になります。たしかに保険料が安い特約ですが、その分これが適用となる疾患にかかる人も少ないということです。そして、必ずしも自己負担した額に見合う確実な効果が得られるとは限らないということです。

したがって、既にメインの契約があり特約として先進医療をつけるならともかく、これだけのためにがん保険に入るのが妥当かどうかは判断がわかれるところなのではないでしょうか。

もしかしたら、出会ったFPさんがたまたま私にマッチングする金融商品を扱っていなかっただけかもしれませんが、全体的な印象としては従来型の"保険のおばちゃん"風な営業スタイルでした。

ファイナンシャルプランナーの資格は、1〜3級までのFP技能士とAFPそして、世界レベルで認められているCFPがあり、この記事で紹介した独立系FPだけでなく、保険会社や銀行などに多数の有資格者がいるそうです。

参考:FPの資格と検定|FP資格とは|FP資格を取るには|日本FP協会

保険会社のセールスレディは、基本的に所属する会社の商品しか紹介してくれません。

独立系のFPはさまざまな金融商品を扱っているので、建前上は複数の会社を比較した上で顧客のニーズに適した資産運用を提案してくれることになっています。

ですが、無料*5でセミナーやコンサルティングを提供しているFPは金融商品の紹介料で生計を立てているので、その報酬条件に左右されます。

ここまで書くと、なんだかどこかで聞いたような話ではないですか?

そうです!ネット上でよく見かけるアフィリエイターと同じです。前述したFPの上級資格であるAFPはAffiliated Financial Plannerの略語です。

たいして優位性がなさそうなサービスを、漠然と推すブログ記事をやたらと見かけることがあります。そんな時にASPの管理画面にログインすると、そのサービスが報酬条件UPキャンペーンなどをやっています。

なお、このブログではたまに商品やサービスの比較記事を書く際にアフィリエイトリンクを設定しますが、紹介料にとらわれない公平な立場を貫くことをポリシーとしたいです。

*1:アフィリエイト・サービス・プロバイダー。バナー広告などを貼るWebサイト運営者と広告主を仲介する会社

*2:一昔前までのがん保険が約款で対象外としていた腫瘍で、いざ保険金を請求してみると支払われないことが判明して、ニュースなどでも話題になっていたもの

*3:「あいうえお」などと決められた指定された単語を発声する時に脳の動きを測り、その波形をうつ病・双極性障害・統合失調症の診断の参考する検査

*4:居住している不動産を担保に融資を受ける制度で利用者の死亡により物件を売却して支払う

*5:富裕層向けに有料で資産形成のコンサルティングを提供しているFPもいるでしょう