kukkanen’s diary

障害年金で暮らす片づけられない女の日記

それでも私は年金を払っていてよかったという話

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厚生労働省の「いっしょに検証!公的年金」というサイトが話題に

厚生労働省が公開している「いっしょに検証!公的年金」というサイトがあり、その中でも特に「世代間格差の正体~若者って本当に損なの?」というページがひどいとネットで話題になっています。

はてな村の人気ブロガー達もこれについて、言及しています。

厚労省の年金漫画が色々ひどかった - 田舎で底辺暮らし


世代間格差がいかに若者のやる気を奪ってるかを語る - かくいう私も青二才でね

老齢年金がいくらもらえるのかは「ねんきんネット」で試算できる

この話題を"世代間格差"という社会問題として捉えたさまざまな意見が繰り広げられていますが、一般の人が気になるのは「自分が納めた保険料に見合う年金はもらえるの?」という自分自身のお金の行方のことだと思います。

よく調べないうちに「どうせ、十分な年金はもらえないのだから加入するのは損」と決めつけている人も多いでしょう。

一口に年金といっても、私たちが受け取る可能性があるものは以下の3種類あります。

  • 老齢年金
  • 遺族年金
  • 障害年金

障害年金に関しては後述しますが、「世代間格差から損をする」と言われているのは"老齢年金"のことです。では、老齢年金は将来いくらもらえるのでしょうか?これは、個人の年金加入状況や今後の経済動向に左右されますが、前者のみを変数とした試算は日本年金機構が運営している「ねんきんネット」サービス(要事前登録・無料)でできます。

[年金見込額試算]をクリック

「ねんきんネット」サービスにログインすると、現在までの年金加入データが読み込まれます。トップページにある[年金見込額試算]ボタンをクリックして、今後の納付額を設定しましょう。

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[質問形式で試算]をクリック

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月収やボーナスの額を入力

例えば「30〜50歳までは30万円、51歳以降は20万円」というふうに期間を分けて設定することも可能です。

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受給予定の老齢年金見込額が表示

基準となる収入の設定や追納・後納した場合の試算など異なるパターンを5件まで保存することができます。

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実際に自分が受給する予定の年金を試算してみてください。仮に85歳まで生きるとして65歳から20年間受け取る年金の額は、自分が納める年金の総額と比較して驚くほど低いわけではありません。むしろ、次に説明する障害年金がいざという時に受け取れる保険だと思えば、とてもお得なのです。

初診時の年金加入状況で障害年金受給の可否で決まる

先日、こんなまとめをNAVERに作ったところ、ご存知なかった人も多かったようで反響がありました。


精神科にかかる前に知っておきたかったお金のこと - NAVER まとめ

私は現在、このブログの題名のとおり"障害年金で"暮らしています。決め手となったのは、精神科を初めて受診した際に厚生年金に加入していたことでした。

よく、時給制の非正規雇用などで働く人は一定時間数を超えて働く場合に雇用主の社会保険に加入しなくてはいけなくなり、会社側が保険料の一部を負担してくれることがわかっていても自分の手取り額も減るので、それを避ける傾向にあります。そして、国民年金だけではなく国民健康保険も未納という非常にリスクのある暮らし方をせざるを得ない人が多いのではないでしょうか。

健康な心身を保っている間はそれでも構わないと考える人もいますが、身体や精神の障害年金を申請する際はその原因となる病気や怪我の初診時の年金加入状況が重要なポイントになります。

初診時に厚生年金に加入していた場合

1〜3級まであり、受給額は本人の報酬額や厚生年金加入期間などを元に計算されて、下記の国民年金のそれより高い。

初診時に国民年金に加入していた場合

1級は年間966,000円、2級は772,800円で3級はない。*1

つまり、なんらかの公的年金に加入しており、かつ初診の前月までの納付要件*2を満たしていないと、いざ何かあった際に障害年金を受取ることができないということです。さらに、国民年金より厚生年金に加入していた方が有利なのです。

障害年金2級と3級の目安は?


精神障害年金と就労のリアル - NAVER まとめ

上記に障害年金の等級に関するよくある話をまとめましたが、厚生年金に設定がある3級は障害者枠やパートなどで働きながら受給している人もいます。

国民年金の場合、「日常生活も手助けが必要だったり、困難だったり」とされる2級からしか設定がないので、審査のハードルが高いことはいうまでもありません。

まとめ

というわけで、「自分たちの世代は年金を払っても損をする」と決めつけずに一度は「ねんきんネット」サービスで将来の受給額を試算してみましょう。そして、可能であれば厚生年金に加入できるような働き方をしましょう。

国民年金の保険料を払うのが経済的に難しい人は、年金について - 保険料を納めることが、経済的に難しいとき | 日本年金機構を参考にして、免除や猶予の制度を利用しましょう。これらの制度を利用すると、老齢年金や障害年金を受給する際に必要な加入期間に関する要件を満たすことができるので、生活がせっぱつまってしまった時も忘れずに手続きしておくことをお勧めします。

*1:子の加算などがあるので、詳しくは年金について - 障害基礎年金の受給要件・支給開始時期・計算方法 | 日本年金機構参照

*2:20歳前障害などの例外もあるので詳しくは年金機構のサイトで